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  <title type="text">霧の残像領域</title>
  <subtitle type="html">長文を流したいけど皆さんのTLを汚したくないときに使う場所です</subtitle>
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  <updated>2016-11-20T18:25:12+09:00</updated>
  <author><name>霧のひと</name></author>
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    <published>2021-09-18T18:03:36+09:00</published> 
    <updated>2021-09-18T18:03:36+09:00</updated> 
    <category term="パッチノート" label="パッチノート" />
    <title>錆戦第2回更新後調整パッチノート</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<p>第2更新後から<br />
<br />
・追加捕捉に　&rarr;自機：遅延(-10)&rarr;自機：直撃上限(+1)　を付与します<br />
<br />
・戦場に追加NPCとして『零力照射気嚢』を追加します<br />
『零力照射気嚢』は自陣の数&times;30の零力を持ち、零力はそれより多く増加しません<br />
『零力照射気嚢』は同じステータスのものが自陣と敵陣に出現します<br />
『零力照射気嚢』は味方の零力増加と同じだけ零力が減少します<br />
『零力照射気嚢』は味方が零力を増加させるたびに、自機のロックタイムを+2します<br />
『零力照射気嚢』の零力が0以下になると、味方は零力を増加できなくなります<br />
味方が零力を減少させた場合、『零力照射気嚢』は同じだけ零力を増加させます<br />
敵の『零力照射気嚢』が撃墜された場合、その零力と同じだけ戦闘終了後のFLが増加します<br />
『零力照射気嚢』は他の味方が全滅するまで敵として対象になりません<br />
『零力照射気嚢』はHP100と[全体避け]を持ちます<br />
『零力照射気嚢』は以下のタイミング効果を持ちます<br />
【捕捉時】他味方全滅条件&rarr;自機：撃墜<br />
【捕捉時】120T以内条件&rarr;自機：零力増加(+3)<br />
<br />
・DLで入手していない自分の作製パーツを、結果更新後に破棄した場合、元になった素材と同じタグを全てのパーツに付与できる素材を獲得できる。これによって作製したパーツを破棄しても素材にはならない<br />
<br />
<span style="font-size: large;"><strong>【追加捕捉について】<br />
</strong><span style="font-size: large;"><span style="font-size: 14px;">追加捕捉はロックタイムを無視した捕捉を幾度となく起こせるので、高火力火器と合わせて、一度起動すると全て破壊するまで止まらない動きが可能でした。止まらない動きを止めるために、遅延を付与します。今まで通り、普通火力火器でたまに撃破する程度なら加速で挽回できる遅延です。また、そういった普通火力火器の底上げをするために、直撃上限を強化し、今まで通りの強い打撃を維持します</span><br />
<br />
<strong>【零力照射気嚢について】</strong><br />
<span style="font-size: 14px;">これは共鳴の実質的な上限として機能します。共鳴をノーリスクで無限に行うことは、すなわち、共鳴をしないことが、共鳴をする前に敵を全滅させることが損をした気分にさせていました。<br />
零力照射気嚢は味方NPCなので、共鳴しても味方から味方への零力の移動であり、差は発生しません。また、敵を早期に全滅させることで、敵が共鳴によって敵陣の気嚢から零力を奪い去る前に撃破し、大量の零力を回収できます<br />
また、中期戦であっても、敵の共鳴機を共鳴障害にしたり、遅延させたり、撃墜したりして気嚢の零力減少を抑える戦いが可能です<br />
そして、中長期戦では共鳴による零力移動を繰り返すことで、気嚢の動きが速くなり、存在しえなかった零力を無から生み出します<br />
長期戦においては、この猶予は120分あります。10分に1回捕捉だとしても、36ポイントの零力が無から生えます<br />
零力照射気嚢は味方なので、味方対象バフを受けられます。特に、[加速援護]は強力です<br />
今まではたった一つの答えに思えたかもしれません。これからは無数の戦術に広がります<br />
<br />
<span style="font-size: large;"><strong>【作製パーツ破壊による素材還元について】</strong></span><br />
よく代案で聞かれるのが、「腕部」や「物理火器」などの大カテゴリで制限しては？というものですが、これは無意識にマーケットが「自分が使うパーツ」だけで構成されてしまい、人気のあるパーツとそうでないパーツの利用者で選択肢に差が生まれることを危惧しています。<br />
私としては、素材にサジェストされたパーツを作って、それが全員の誰かの役に立ち、自分の欲しいパーツもまた誰かが作ってくれる、というのを想定していましたが、なかなか難しいので、折衷します<br />
つまり、「誰かが利用するかもしれないパーツ」を作ることで、次回に「自分の欲しいパーツ」を作る、という2段階作製でもって、マーケットに彩を持たせる、ということです<br />
<br />
以上になります。これからも錆戦をよろしくお願いします！<br />
<br />
</span></span></span></p>]]> 
    </content>
    <author>
            <name>霧のひと</name>
        </author>
  </entry>
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    <id>mistofwar.yotsumeyui.com://entry/145</id>
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    <published>2021-09-04T11:46:00+09:00</published> 
    <updated>2021-09-04T11:46:00+09:00</updated> 
    <category term="コラム" label="コラム" />
    <title>フェイタル・ポイント</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[FPを測る計器は、ダスト・グレムリンの破壊&hellip;&hellip;<br />
灰燼戦争によって、完全に機能を停止した<br />
<br />
私は、このFPというものが何だったのか<br />
自説をここに記しておこうと思う<br />
<br />
ダスト・グレムリンは世界に干渉し、世界をコントロールし<br />
世界を巻き戻すことさえできるという<br />
<br />
私は思うに、このFPというのは<br />
ダスト・グレムリンが決めた、コントロール下にある生命の時間だ<br />
という仮説に辿り着いた<br />
<br />
しかし、ダスト・グレムリンの完成は<br />
この1か月の間の話だ<br />
FPはもっと昔から<br />
ずっと昔から存在している<br />
<br />
思うに、ダスト・グレムリンというのは<br />
世界の始まりとともにあったのではないか<br />
そう思う<br />
<br />
そうでなければいくらTsCといえど<br />
世界を制御するなどという馬鹿げた機体を作ることなどできるはずがない<br />
<br />
世界の始まりと共にあった何か<br />
それを象ったものが、ダスト・グレムリンなのではないか<br />
<br />
最初に何かがあり<br />
それをTsCはダスト・グレムリンとして実体化させた<br />
<br />
その何かは、世界を、人類を、あらゆる全てをコントロールできる<br />
そうとしか思えない<br />
<br />
具体的な観測結果やデータなどは別に添付するが<br />
結論から言うと、そういうことだ<br />
<br />
つまり、いま、FPが消えたということは<br />
世界を操る何かが機能を失っている、ともいえる<br />
<br />
そして、FPの呪いから解き放たれた、不死身の傭兵<br />
25領域の各地に存在する不死者<br />
<br />
彼らは、世界を操る「何か」とは別の存在なのかもしれない<br />
その「何か」の正体を、私は探っていく<br />
<br />
恐らく、高度3000メートルの上空に佇む十二条光柱や<br />
その高度を行き来する全翼機の主、航空者たちは<br />
すでに気付いているのかもしれない<br />
<br />
――研究を続ける<br />
<br />
<br />
]]> 
    </content>
    <author>
            <name>霧のひと</name>
        </author>
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    <id>mistofwar.yotsumeyui.com://entry/144</id>
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    <published>2020-09-22T21:57:04+09:00</published> 
    <updated>2020-09-22T21:57:04+09:00</updated> 
    <category term="コラム" label="コラム" />
    <title>霧のコラム『事件』</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[ザザーッ<br />
<br />
ザッ<br />
<br />
ザザーッ<br />
<br />
もし『北の遺跡』事件で、ハイドラ大隊がいなかったら<br />
それはきっと、今日のような結末を迎えたことだろう<br />
<br />
結論から言うと、我々の作戦は&hellip;&hellip;失敗した<br />
ドゥルガー素体の完全復活<br />
及び、その&hellip;&hellip;結末について記録する<br />
<br />
4月19日。我々は、ドゥルガー復活の兆候を察知する<br />
『北の遺跡』同等のドゥルガー工廠が発見されたのだ<br />
遺跡の守護者はランページ・チャリオット《&Nu;&Epsilon;&Mu;&Epsilon;&Sigma;&Iota;&Sigma;》<br />
我々はウォーハイドラなき後、開発された機動兵器『ウォースキュラ』で戦う<br />
スキュラ2000機を投入し、我々は《&Nu;&Epsilon;&Mu;&Epsilon;&Sigma;&Iota;&Sigma;》と戦い<br />
そして&hellip;&hellip;相打ちとなり、ドゥルガー復活を阻止できなかった<br />
<br />
《&Nu;&Epsilon;&Mu;&Epsilon;&Sigma;&Iota;&Sigma;》について記そう<br />
独立型ランページ・ユニット。チャリオットタイプ<br />
性能的には『北の遺跡』で見られたものより劣るかもしれない<br />
独立型デバステイター・ユニットの広範囲攻撃があれば<br />
結果はさらに悲惨なものになっていただろう<br />
<br />
《&Nu;&Epsilon;&Mu;&Epsilon;&Sigma;&Iota;&Sigma;》の元になったのはランページ・ユニット『水粒断裂霧散装置』<br />
範囲こそ狭いが、圧倒的な切断能力でもってスキュラは各個撃破されてしまう<br />
この不可視の刃に触れると、スキュラは一瞬で機体の力を奪われ、<br />
霧を受けたように機体が切り裂かれる<br />
しかも、これは濃霧領域を無効化する<br />
<br />
スキュラが半減した辺りで、ようやく我々は突破口を見つける<br />
《&Nu;&Epsilon;&Mu;&Epsilon;&Sigma;&Iota;&Sigma;》の特性に気づいたのだ<br />
それは、《&Nu;&Epsilon;&Mu;&Epsilon;&Sigma;&Iota;&Sigma;》の攻撃は「強い」機体にしか効かないということ<br />
具体的には、スキュラの粒性能を奪い、それを利用して不可視の切断を繰り出していたのだ<br />
<br />
我々は、あえて粒性能を低くしたスキュラ機体で挑んだ<br />
そして、《&Nu;&Epsilon;&Mu;&Epsilon;&Sigma;&Iota;&Sigma;》の攻撃をかいくぐり、とうとう『水粒断裂霧散装置』を破壊する<br />
そして、《&Nu;&Epsilon;&Mu;&Epsilon;&Sigma;&Iota;&Sigma;》との激しい戦いが始まった<br />
我々のスキュラの全力と、《&Nu;&Epsilon;&Mu;&Epsilon;&Sigma;&Iota;&Sigma;》の全力がぶつかり合い<br />
我々は辛うじて《&Nu;&Epsilon;&Mu;&Epsilon;&Sigma;&Iota;&Sigma;》を撃破することに成功する<br />
<br />
その時には、すでにドゥルガーの素体が完成し、我々は敗北を知った<br />
その後のことは、ご存じのとおりだ<br />
世界はドゥルガーの手によって&hellip;&hellip;<br />
<br />
いや、まだ分からない<br />
ドゥルガーの自壊によって、我々にもまだ希望の光が差したところだ<br />
<br />
我々は後世の民に伝えたい<br />
まだこの海の下には、眠っているのだ<br />
幾体ものドゥルガーの素体と、その守護者が<br />
まだ未確認の守護者が存在する<br />
<br />
伝説によれば、少なくとも&hellip;&hellip;<br />
グリスター・キャヴァリアー《&Kappa;&Rho;&Omicron;&Nu;&Omicron;&Sigma;》&hellip;&hellip;<br />
この独立型グリスター・ユニットは恐らく<br />
デバステイター・ユニット・センチネルタイプよりも強いはずだ<br />
そして、その性能は恐らく時空に関する何かであることしか分かっていない<br />
独立型DURGAユニットの中でも最強と言われていた《&Kappa;&Rho;&Omicron;&Nu;&Omicron;&Sigma;》&hellip;&hellip;<br />
<br />
我々は、残さなければならない<br />
<br />
力を&hellip;&hellip;だ<br />
<br />
すでに、ウォースキュラに変わる量産型機動兵器の開発が進んでいる<br />
我々が滅びた後も<br />
我々が失敗した後も<br />
<br />
世界は続いていくのだから<br />
<br />
ザッ<br />
<br />
ザザーッ<br />
<br />
ザザーッ]]> 
    </content>
    <author>
            <name>霧のひと</name>
        </author>
  </entry>
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    <id>mistofwar.yotsumeyui.com://entry/143</id>
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    <published>2020-07-12T20:34:58+09:00</published> 
    <updated>2020-07-12T20:34:58+09:00</updated> 
    <category term="コラム" label="コラム" />
    <title>虚空のコラム『零と霧の間には』</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[霧の消えた世界で<br />
<br />
霧のシルエットを追いかけていく<br />
<br />
<br />
--- ---&nbsp;<br />
<br />
<br />
虚空領域に出現したハイドラと呼ばれる現象<br />
謎の高性能機体<br />
伝説に酷似した戦術<br />
そして、その正体はいまだ謎である<br />
<br />
彼女は哨戒用グレムリンに乗り、<br />
今日もハイドラを追いかけている<br />
<br />
戦場に紛れ込み、ハイドラを写真に収め<br />
そして、研究を続けていた<br />
<br />
ハイドラは恐ろしい存在だ<br />
すでに、水平線近く&hellip;&hellip;世界の果ての近くでは<br />
常軌を逸した動きを見せている<br />
<br />
すさまじい速さで繰り出すミサイル<br />
忽然と次元の狭間に消える<br />
そして、領域を殲滅する光<br />
<br />
その姿を捉えたかった<br />
理解したかった<br />
そして、掴みたかった<br />
霧の姿を<br />
<br />
霧&hellip;&hellip;世界に充満した赤い粉塵が<br />
霧の粒子を吸着してしまった<br />
そして、500年以上霧は出ていないという<br />
<br />
「霧はあなたと共にあるんだよ」<br />
「姿は見えなくても」<br />
「たとえ、滅びたとしても」<br />
「霧はあなたと共にある」<br />
<br />
何度も聞かされた言葉<br />
その言葉の主は、粉塵で肺が錆びつき死んでしまったが<br />
<br />
霧を探したい<br />
その答えが、ハイドラにある<br />
<br />
そう決めた17歳の夜、<br />
爆音とともに何かが落下した<br />
<br />
船が揺れる<br />
デッキに出ると、巨大なコンテナが近くで沈もうとしているのが見えた<br />
<br />
「コンテナ&hellip;&hellip;！！」<br />
<br />
異世界からの贈り物である<br />
どこからともなく振ってくるこのコンテナは<br />
あらゆる生活必需品が詰まっている<br />
<br />
船のクレーンを起動させ、急いでコンテナを確保する<br />
運がいい<br />
コンテナを手に入れられるのは、ほんの一握りのひとだけだ<br />
<br />
《どうも、こんにちは》<br />
<br />
開けようとすると、内部から声が聞こえた<br />
ぞっとして手を放す。逆に扉が開いた。内側から<br />
<br />
《はじめまして》<br />
<br />
中にいたのは、錆びついたフレーム<br />
グレムリンの、フレームだった<br />
<br />
奇妙なフレームだった<br />
テイマーズケイジのどれとも似つかない<br />
錆びついたフレーム<br />
<br />
「あなたは&hellip;&hellip;？」<br />
《ラスト・フレーム。錆びたフレームさ》<br />
<br />
それだけを語った。沈黙が流れる<br />
<br />
「所属は？　どこの誰なの？」<br />
《あなたの所属、あなたのラスト・フレーム》<br />
<br />
それ以来、彼と戦場を共にするようになった<br />
偶然手に入れた圧倒的戦力<br />
売って手放すには惜しかった<br />
<br />
それに、彼と話すのは好きだった<br />
彼は霧の話を喜んで聞いてくれた<br />
<br />
「霧を見たことある？」<br />
《俺は、霧を浴びすぎてこんなに錆びてしまったのさ》<br />
「冗談でしょ」<br />
<br />
不思議な機体は、いつもハイドラの近くまで彼女を連れて行った<br />
<br />
「どうして私のところに来たの？」<br />
《霧を追い求めるためさ》<br />
「そんなに霧に近づいているかな、私」<br />
《ああ、これほど近いところはない》<br />
「私はもっと近くに行きた&hellip;&hellip;」<br />
《危ない！》<br />
<br />
画面に出るCAUTIONの文字！<br />
ハイドラが白い靄を噴出し、身にまとう<br />
<br />
あれは&hellip;&hellip;<br />
<br />
夢にまで見た<br />
<br />
操縦が一瞬止まる<br />
掴みたい<br />
その姿を<br />
<br />
「霧はいつもあなたと共にあるんだよ」<br />
<br />
大きな衝撃を受けて大破するラスト・フレーム・グレムリン<br />
操縦棺から這い出したときには、すでにハイドラの姿はなかった<br />
<br />
彼女はぷかぷか浮かぶ自機を撫でながら、ため息をついた<br />
<br />
「へましちゃった。もうすぐ霧を&hellip;&hellip;」<br />
《掴んださ》<br />
「本当に？」<br />
《霧はいつも君と共にある》<br />
《俺はいつも君と共に》<br />
《つまり俺は霧ということさ》<br />
「冗談でしょ」<br />
<br />
「でも&hellip;&hellip;」<br />
<br />
<br />
「悪くない冗談かな」<br />
<br />
<br />
追いかけていく<br />
霧のシルエットを<br />
<br />
そこへ到達するために――<br />
<br />
<br />
いつまでも、追いかけていく<br />
<br />
<br />
]]> 
    </content>
    <author>
            <name>霧のひと</name>
        </author>
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    <id>mistofwar.yotsumeyui.com://entry/142</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://mistofwar.yotsumeyui.com/%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0/%E8%99%9A%E7%A9%BA%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%80%8E%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%81%AE%E4%B8%AD%E3%81%AB%E3%81%AF%E3%80%81%E4%BD%95%E3%82%82%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8F" />
    <published>2020-07-11T21:07:20+09:00</published> 
    <updated>2020-07-11T21:07:20+09:00</updated> 
    <category term="コラム" label="コラム" />
    <title>虚空のコラム『ミストエンジンの中には、何もない』</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[無、虚空、零<br />
<br />
何もない<br />
<br />
それがこの世界と、<br />
そしてグレムリンを走らせる力<br />
<br />
<br />
--- --- ---&nbsp;<br />
<br />
<br />
彼には忘れられない光景がある<br />
<br />
グレムリン整備士として働き始めたころのことである<br />
<br />
完全な理論<br />
完全な知識<br />
それを求め、経験を積み<br />
ようやく整備士のライセンスを手に入れた<br />
<br />
そして、意気揚々と繰り出した<br />
仕事の場に&hellip;&hellip;最初の職場である、格納庫へ<br />
<br />
そこは大空母船団【ヒルコ・トリフネ】の一角にあった<br />
整頓された、何もない、がらんどうの格納庫<br />
ここを自分色に染めてめちゃくちゃにカスタマイズしていく<br />
そんな予感を感じながら、その何もない場所を見つめていた<br />
<br />
「君がタワーから来た整備士かね？」<br />
<br />
背後から声。驚いて振り返り、また驚く<br />
音もなく一人立っていたのは、巫女だった<br />
<br />
写しの巫女&hellip;&hellip;ヒルコ・トリフネの最高権力者<br />
そして、彼を雇用したそのひとだった<br />
<br />
「は、初めまして！」<br />
「緊張することはない」<br />
<br />
巫女は、ゆっくりと格納庫に入っていく。そして、何かを無線機越しに命令した。すぐさま、侍従たちが一基の&hellip;&hellip;ミストエンジンを格納庫内に運び入れる<br />
<br />
「君の知識を試したくてね」<br />
「え&hellip;&hellip;」<br />
「はは、間違ってもいい。ただ、教えておきたいことがある&hellip;&hellip;が、まずは、ミストエンジンの構造について聞こうか」<br />
「は、はい！」<br />
<br />
彼は流暢に、自分の学んだすべてを話した<br />
ミストエンジンは霧の粒子による作用&hellip;&hellip;霧力で動くこと<br />
霧の粒子により、重粒子イオンが生成され、パルスが生まれること<br />
そのパルスがグレムリンフレームに行きわたり、動力になる&hellip;&hellip;<br />
<br />
「よろしい、よろしい。それを聞きたかった」<br />
<br />
安堵する彼だったが、巫女は背中を向けたまま、次の指示を無線で下した<br />
格納庫にエレベータが起動する音が響く<br />
<br />
「これから、グレムリンフレームを動かす。異常がないか、見てくれ」<br />
<br />
エレベータに乗って現れたのは、ごく普通のヴォールト・フレームだった<br />
侍従たちが素早くミストエンジンを、フレームにアセンブルする<br />
<br />
そして、ヴォールト・フレームは骨のような身体を起動させて、目の前に膝をついた<br />
<br />
「おかしいところはないかね？」<br />
「&hellip;&hellip;」<br />
「気づいたら、何でも言うといい」<br />
「ミストエンジンの設置が、ずいぶん楽そうに見えました」<br />
<br />
肩をピクリと動かし、震えるように笑う巫女<br />
<br />
「やはり、君は素晴らしい。答え合わせだ。ミストエンジンを見てみろ」<br />
<br />
そんなはずはない<br />
一つの、荒唐無稽な想像が頭をよぎる<br />
<br />
まるで&hellip;&hellip;<br />
まるで、張りぼてを設置するようにフレームに取り付けられたミストエンジン<br />
<br />
そんなはずはない<br />
あそこは数十リットルの水と、分厚い隔壁と<br />
そして様々な機構が張り巡らされた、精密機械――<br />
<br />
「&hellip;&hellip;&hellip;&hellip;！？」<br />
「ひとつ、教えよう。グレムリンの不思議だ」<br />
<br />
彼の指先が震える。エンジンに触れ、内部を開き、そこにあったものは――<br />
<br />
「グレムリンは何で動く？　なぜ動く？　なぜ、強い？　理論がある。言い訳がある。理屈がある。それらを全てあざ笑うように&hellip;&hellip;」<br />
<br />
<br />
<br />
エンジンの中には、何もなかった<br />
<br />
<br />
「グレムリンは、ゼロの力で動く。これぞ零力。さぁ、この謎に挑もうか。共にな&hellip;&hellip;」<br />
<br />
<br />
<br />
いま、彼はヒルコ・トリフネで新型グレムリンフレームの開発に携わっている<br />
そのたびに、思うのだ<br />
<br />
理論<br />
理屈<br />
そして、構造<br />
全ては、ゼロの前に等しい<br />
<br />
等しいが&hellip;&hellip;もし、それらを失ったら、きっとグレムリンはその乱杭歯を剥いて笑うだろう<br />
お前は全てを無駄にしたんだなと<br />
<br />
彼は研究を続ける<br />
辿り着く場所へと<br />
<br />
それは、最後の到達点であり、そこまでの距離は最終的に&hellip;&hellip;<br />
<br />
<br />
<br />
――ゼロになる]]> 
    </content>
    <author>
            <name>霧のひと</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>mistofwar.yotsumeyui.com://entry/141</id>
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    <published>2020-06-04T21:45:44+09:00</published> 
    <updated>2020-06-04T21:45:44+09:00</updated> 
    <category term="コラム" label="コラム" />
    <title>【風の門】をくぐって</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[風の門<br />
そこは風が吹き抜ける場所<br />
二度と戻らぬ風を送る場所<br />
<br />
<br />
******<br />
<br />
<br />
彼女はタワー港湾部の岬に立ち、はるか水平線を眺めていた<br />
ここからは南の空がよく見える<br />
日は沈みつつあり、夕暮れの涼しい風がそよいでいた<br />
<br />
風の門――<br />
<br />
タワー南の船着き場の俗称である<br />
ここはまるで橋のようにどこまでも南に延びている<br />
そして巨大な防波堤を築いている<br />
<br />
まるでサンゴ礁のように幾重にも張り巡らせた防波堤は<br />
要塞のように、南から来る脅威を防いでいた<br />
<br />
タワー防衛戦略<br />
<br />
残された、錆びついた世界で<br />
外敵から身を護るためにタワー住人が築いた防壁である<br />
防波堤の各所には砲台が設置されており、<br />
通りかかる船を威圧していた<br />
<br />
敵は四方から来る<br />
それを防ぐために、タワー四方には防衛要塞が築かれていた<br />
北にはコロッセオ・レガシィ空母船団<br />
東にはヒルコ・トリフネ空母船団<br />
西には古代要塞サルガッソー<br />
そして、南にはこの防壁である<br />
<br />
タワーの貴重な平穏を護るために<br />
防壁は偉大なる役目を果たしていた<br />
<br />
彼女は、幾人もの戦士を見送り育ってきた<br />
そして彼女もまた齢25になり<br />
とうとう出陣の日がやってきたのだ<br />
<br />
翌朝、彼女はこの風の門を越えて<br />
南海へと征く<br />
<br />
岬の地面に腰を下ろし、南の宵空をいつまでも眺めていた<br />
空には巨大天体<br />
星の海が広がり、水平線に溶けて消えている<br />
美しい世界だと思う<br />
そこに死さえなければ<br />
<br />
「私は、戦えるだろうか」<br />
<br />
不意に彼女の口から言葉が漏れる<br />
自分に言い聞かせるように<br />
<br />
彼女の後ろから歩み寄る影がいた<br />
<br />
「ほう、戦うのが不安かね？」<br />
<br />
振り返ると、シルクハットの紳士が一人、灯台の陰から姿を現していた<br />
顔は闇に紛れて見えない<br />
<br />
「誰？」<br />
「半人前&hellip;&hellip;とでも言おうか」<br />
「なにそれ」<br />
<br />
紳士はシルクハットを脱ぐ<br />
するとその中から流星が飛び出し、<br />
頭上を一旋してまたシルクハットに戻っていった<br />
<br />
「なんなの？」<br />
「半人前だよ、ただの」<br />
「手品師の半人前ってこと？」<br />
「そういうこと」<br />
「絶対違うし」<br />
<br />
顔をよく見ようと、彼女は紳士に近づく<br />
しかし、紳士はゆっくりと後ずさる<br />
いくら歩いても、距離は縮まらず<br />
彼女はようやく、自分が一歩も進めていないことを知る<br />
<br />
「不思議なひと」<br />
「よく言われるよ」<br />
「何しに来たの？」<br />
「お祝いに来たのさ」<br />
「死に行くことが？」<br />
<br />
紳士はもう一度、シルクハットを取る<br />
するとハトが夜空に打ち上がり、<br />
一つの星になった<br />
<br />
「25歳の誕生日おめでとう」<br />
「祝われたのは、今日はじめてよ」<br />
「そうか、一番乗りだな」<br />
<br />
紳士は再びシルクハットを被る<br />
<br />
「世界は変わる。2度とない24歳を超えて、君の25歳が始まる」<br />
「&hellip;&hellip;」<br />
「不安かい？」<br />
「ちょっとは」<br />
「君は風だ。風が迷うことはあるかね？　君はどこへでも行ける。風は、君を乗せてどこまでも吹き抜ける」<br />
「私は戦いに行くほかない」<br />
「戦いの中でも、君の心は&hellip;&hellip;世界に風となって駆け抜ける」<br />
<br />
次の瞬間、突風が吹く。彼女の身体を押し上げて、<br />
彼女は高く高く舞い上がる！<br />
<br />
どこまでも高く上がっていく<br />
タワーの灯が星のように小さくなる<br />
<br />
やがて、先ほど星になったハトが、彼女の肩に止まる<br />
下を見下ろすと、世界がまるで手に取るように見えていた<br />
<br />
「これは&hellip;&hellip;」<br />
「飛び方は教えたぞ」<br />
「あんたが飛ばしたんでしょ！」<br />
「いつでも飛べるさ。君は風なのだから」<br />
<br />
気づけば、彼女は岬に寝転んで朝日を浴びていた<br />
夢だったのだろうか<br />
しかし――<br />
<br />
目を閉じると見えるのだ<br />
地上を見下ろして、世界を駆け抜ける自分の姿が<br />
<br />
そう<br />
<br />
何度でも<br />
<br />
<br />
]]> 
    </content>
    <author>
            <name>霧のひと</name>
        </author>
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  <entry>
    <id>mistofwar.yotsumeyui.com://entry/140</id>
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    <published>2020-06-03T21:38:14+09:00</published> 
    <updated>2020-06-03T21:38:14+09:00</updated> 
    <category term="コラム" label="コラム" />
    <title>空母船団【コロッセオ・レガシィ】</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[タワー北部をさまよう巨大空母船団<br />
それは昔からこう呼ばれていた<br />
<br />
――コロッセオ・レガシィ<br />
<br />
かつての民を、この虚空の海に導いた船<br />
<br />
<br />
******<br />
<br />
<br />
彼はこの空母船団の一つ、<br />
「霊場B＝12･A」に生まれた<br />
それから24年。彼はここから出ることなく暮らしている<br />
<br />
全てが錆びついていた<br />
シャワーから出るのは錆臭い水<br />
毎日の食事には缶詰の総合栄養食<br />
人の気配は少ない<br />
死んだように彷徨う幽霊船<br />
<br />
おとぎ話を聞いていた<br />
かつての人々の話<br />
<br />
500年前、一つの大戦争が起きた<br />
結果、世界は滅びつくされた<br />
でも&hellip;&hellip;戦争を起こした人々は、この世界から逃げ出した<br />
理想を&hellip;&hellip;平穏の永劫を手に入れるために<br />
架空の夢の世界へと消えたという<br />
<br />
残されたわずかな人々は、この錆びた世界で<br />
緩やかに滅びつつある<br />
そんな話を聞かされていた<br />
<br />
彼は朝食を終え、船内労働施設へと赴いた<br />
ここでは、船団を維持するための労働を行う<br />
すでに30幾つの船が沈んでいる<br />
船が沈まぬように、船を維持する労働<br />
<br />
今日の彼は、船団防衛に赴くことになった<br />
<br />
拳銃のベルトを装着し、ボロボロの戦闘機械に乗り込む<br />
二本の腕にのこぎりを装備した格闘機体だ<br />
ビープ音<br />
日に焼けた液晶画面にメッセージ<br />
《ｵﾊﾖｳ　ﾒﾊｻﾒﾀｶ?　ｼｰﾄﾍﾞﾙﾄ　ｼﾒﾔｶﾞﾚ》<br />
ため息をつき、シートベルトを装着する<br />
<br />
戦うのには理由がある<br />
運悪く、今日はそれを思い知る日となった<br />
<br />
サイレンが鳴る。訓練を切り上げ、彼は海へと飛び出した<br />
格闘機体は水しぶきを上げて、海の上をすべる<br />
<br />
03式パルスバッテリーのもたらす水上浮遊効果だ<br />
操縦レバーを握る。汗で滑る感覚。呼吸を整える<br />
よりによって、自分の当番の時に「来る」とは<br />
<br />
《ﾃｷ　ｾｯｷﾝ　ｶｸｺﾞ　ｼﾔｶﾞﾚ》<br />
<br />
海の向こうから接近する影<br />
まるで自分と似ている機体<br />
<br />
あれが何なのか知らない<br />
ただ、船を沈める存在ということは分かる<br />
<br />
冗談じゃない<br />
こんな滅びた世界に残されて<br />
死の危険に晒されていて<br />
生き残っても得るものなどありはしない<br />
<br />
のこぎりを回転させる<br />
チャンスは一瞬。敵を切り刻むか<br />
自分が不可思議な何かで爆散させられるかだ<br />
<br />
間合いを測りながら、謎の機体と追いかけっこをする<br />
ふと、夢の世界に逃げた人々を思う<br />
彼らは幸せだろうか<br />
<br />
おとぎ話では、彼らは幸せな結末を得るために<br />
世界を何度もやり直すために<br />
世界から姿を消したという<br />
<br />
「俺だって、やり直したい」<br />
「成功するまで、何度だっても&hellip;&hellip;」<br />
<br />
しかし、チャンスは一瞬なのだ<br />
失敗すれば、それで終わり<br />
<br />
「やるしかないんだ」<br />
<br />
ふいに影の機体の動きのパターンが変わる<br />
仕掛ける気かもしれないと、彼は恐れた<br />
チャンスは今しかない<br />
<br />
「行く&hellip;&hellip;しか」<br />
<br />
突然、彼の機体のスピーカーから音がする<br />
若い少女の笑う声<br />
何かを語り合う、幸せそうな声<br />
<br />
どこかからの混線だろうか<br />
しかし、こんな幸せそうに笑う人など、この世界にはいない<br />
<br />
次の瞬間、世界がぶれて見える<br />
極彩色のイメージが目の前に広がる<br />
<br />
全く同じ自分の機体なのに<br />
様々な幸せそうな写真が飾ってある<br />
操縦レバーを握る手は、少女のように細い<br />
そして両腕にあるのはのこぎりではなく、様々なジャンク品<br />
<br />
「もしかして、夢なのか&hellip;&hellip;？」<br />
<br />
夢の世界を見ているのか？<br />
もうすぐ夢の世界に行けるのか？<br />
そして、自分はもう一度、やり直して、<br />
幸せな結末を&hellip;&hellip;<br />
<br />
ビープ音<br />
日に焼けた液晶が見えた<br />
紛れもなく、錆びだらけの自分の機体の<br />
《ﾃｷ　ｾｯｷﾝ　ﾕﾒﾊﾏﾎﾞﾛｼ　ﾒｦｻﾏｾ》<br />
<br />
「ああ&hellip;&hellip;あああああ！！」<br />
<br />
操縦レバーを振り下ろす！<br />
回転のこぎりが影の機体を捉え、両断した<br />
一瞬だった<br />
あまりにも長く思えた幻惑は、一瞬だったようだ<br />
<br />
もしかしたら、行けたかもしれない<br />
夢の世界に逃げ込めたかもしれない<br />
けれども&hellip;&hellip;<br />
<br />
「俺には、この一瞬しかない」<br />
<br />
「錆びた世界で、生きることが、俺の&hellip;&hellip;」<br />
<br />
言い訳は思いつかなかった<br />
ただ、彼は思ったよりもこの&hellip;&hellip;錆びた世界が好きなのかもしれないと<br />
思い始めていた<br />
<br />
思いは、捨て去るときに最も高まる<br />
もし捨てられないのなら、それはそれで、美しいのかもしれない<br />
<br />
《ｵﾒﾃﾞﾄｳ　ﾅｶﾅｶﾔﾙﾅ　ﾃｷｹﾞｷﾊ》<br />
<br />
<br />
]]> 
    </content>
    <author>
            <name>霧のひと</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>mistofwar.yotsumeyui.com://entry/139</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://mistofwar.yotsumeyui.com/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%A0%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%82%AE%E3%83%95%E3%83%88/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%A0%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%82%AE%E3%83%95%E3%83%88%E2%85%A0%20chapter3%E3%80%8E%E6%BD%9C%E5%85%A5%E3%80%8F%20sectiona" />
    <published>2020-05-03T01:10:19+09:00</published> 
    <updated>2020-05-03T01:10:19+09:00</updated> 
    <category term="グレムリンズギフト" label="グレムリンズギフト" />
    <title>グレムリンズギフトⅠ chapter3『潜入』 sectionA</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[その日は空を覆いつくす粉塵がどんよりと暗く湿っていた<br />
ずっと昔の話だ<br />
<br />
私は子供で、「彼」もまた子供だった<br />
いま、「彼」は何をしているのか<br />
たまに思いにふけることがある<br />
<br />
そう、今のように<br />
<br />
「カザミサ、きみは&hellip;&hellip;選ばれたんだね」<br />
「あんた、誰なの？」<br />
<br />
最初の言葉は、不思議な言葉だった<br />
その少年は、カザミサを見るなり、そう言ったのだ<br />
<br />
「ぼくの名前は嘘だから、教えても意味がないよ」<br />
「じゃあ、何て呼べばいいの」<br />
「&hellip;&hellip;『シャドウ』、そう呼んでいいよ」<br />
<br />
どこで出会ったか、記憶が定かではない<br />
私の周りには無数の大人たちが群れている<br />
顔は思い出せない<br />
ただ、皆深刻そうな顔をしていたように思う<br />
<br />
彼――シャドウは、ニコニコと私を見守っていた<br />
周りの大人たちとは違い、心から私を&hellip;&hellip;<br />
祝福していたように思える<br />
<br />
「シャドウ、あなたはどうしてガラス壁の向こうにいるの」<br />
「だって、ぼくは嘘だからさ。本物の君には、触れられない」<br />
「何なのそれ」<br />
<br />
最初は不愉快だった<br />
ニコニコと見透かすように私を見ていた<br />
<br />
ただ、その表情の向こう側には、確かな敬意を感じていた<br />
他の大人たちは、怯えていた<br />
まるで繊細なガラス細工を触るように、私にいくつも針を刺していた<br />
そして目を見開き、不思議な機械を凝視していた<br />
<br />
シャドウは、私に触れなかった<br />
ただ、毎日のようにガラス壁の向こうに現れて、<br />
ニコニコと私の話し相手になってくれた<br />
<br />
「おとぎ話をしようか」<br />
<br />
「そんな歳じゃない」<br />
<br />
「昔々、あるところに&hellip;&hellip;」<br />
<br />
「きいてないし」<br />
<br />
「あるところに、一つの箱があったのさ」<br />
「それは開けてはいけない箱と言われていたんだ」<br />
<br />
「ある日、いたずらな子供が、その箱を開けてしまった」<br />
「何が出てきたと思う？」<br />
<br />
「邪悪な悪鬼さ。全てをめちゃくちゃに破壊してしまった」<br />
「悪鬼は邪悪な脚で世界を14日かけて駆け巡り、14の国を滅ぼした」<br />
「子供はずっと泣いていた」<br />
<br />
「でも、気づいたんだ。悪鬼が出てきた箱には、魔法がかかっていた」<br />
「子供は願った。世界をもとに戻してよと」<br />
<br />
「その瞬間、大きな蛇が箱から現れて、悪鬼を飲み込んでしまったんだ」<br />
「悪鬼は飲み込まれる前に、一つの呪いを残した」<br />
「何度でも蘇って、蛇殺しの魔法で、世界を滅ぼすと」<br />
「蛇は言い返したのさ」<br />
「悪鬼の鎧と悪鬼の剣は、壊れてしまうだろう。誰を傷つける前に、悉く」<br />
<br />
「そして蛇は大地に横たわり、世界になった」<br />
「世界はやがて、箱を見つけて、悪鬼を呼び戻す」<br />
「そして蛇はまたそれを食らい、世界へと姿を変える」<br />
「そんな追いかけっこを、ずっと続けているのさ」<br />
<br />
私は聞いたことがあった。古いおとぎ話だ<br />
蛇の呪いが、機械を故障させると、よく言われた<br />
それは《霊障》と呼ばれていた<br />
悪鬼の棲む機械が、呪いを受けて壊れるのだ<br />
グレムリンズ・ギフト&hellip;&hellip;<br />
悪鬼からの、不幸な贈り物<br />
<br />
私の記憶はいつもそのおとぎ話で終わる<br />
シャドウが現れると、彼はこっそり私にチョコレートをくれたり<br />
面白おかしい話をしてくれたり<br />
いろいろと他の楽しいことはあった<br />
<br />
でも、そのおとぎ話を語るシャドウの表情は悲しげで<br />
それだけが強く印象に残っている<br />
<br />
「どうして笑わないの？　いつもみたいに」<br />
<br />
「ぼくは悲しいのさ」<br />
<br />
「おとぎ話を話すことが？」<br />
<br />
「蛇と悪鬼は、ずっと一緒になれない」<br />
<br />
「そういう話だからね」<br />
<br />
「本当は、仲良しなんだよ」<br />
<br />
「そうなの？」<br />
<br />
「悪鬼はまだ、幼いんだ。世界を救う方法を知らない」<br />
「泣いている子供も、全てを飲み込む蛇のことも、本当は好きなのに」<br />
「何も知らない子供だから、何もかもを壊してしまうんだ」<br />
<br />
「でも、君は違う」<br />
「もし君が悪鬼に出会って、教えることができたなら――」<br />
<br />
「悪鬼は知るのさ。世界を救う方法を」<br />
<br />
回想はいつもそこで終わる<br />
世界を救う<br />
それが何を意味するのかは分からない<br />
<br />
私は今、世界を救えるだろうか<br />
何かを知っている者たち<br />
動いていく世界<br />
滅びを知らない機体<br />
私の鋭すぎる&rdquo;&rdquo;直感&rdquo;&rdquo;<br />
<br />
何を意味するのだろうか<br />
それを知りたいと思った<br />
<br />
だからいま、私はこうして&hellip;&hellip;<br />
テイマーズ・ケイジの中枢に忍び込もうとしている<br />
<br />
&gt;&gt;next sectionB]]> 
    </content>
    <author>
            <name>霧のひと</name>
        </author>
  </entry>
  <entry>
    <id>mistofwar.yotsumeyui.com://entry/138</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://mistofwar.yotsumeyui.com/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%A0%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%82%AE%E3%83%95%E3%83%88/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%A0%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%82%AE%E3%83%95%E3%83%88%E2%85%A0%20chapter2%E3%80%8E%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%A0%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%80%8F_138" />
    <published>2020-04-07T21:27:58+09:00</published> 
    <updated>2020-04-07T21:27:58+09:00</updated> 
    <category term="グレムリンズギフト" label="グレムリンズギフト" />
    <title>グレムリンズギフトⅠ chapter2『グレムリン』 sectionC</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[誤報かと思った<br />
信じがたい情報だった<br />
<br />
植物園でいつものように、前線の情報を見る<br />
そこに記されていたのは自由傭兵たちの戦果<br />
すさまじい戦果だ。戦死者、ゼロ<br />
<br />
「君が来る頃だと思ったよ」<br />
<br />
背後から声。柔和な声は、いつものように静かに響く<br />
ケイジキーパーNo.2《リヴ》<br />
彼は、私の前に回り込んで、柳のようにゆらりと椅子に座る<br />
テーブルを挟んだ向こう側で、明後日の方向を見ている<br />
<br />
「何がしたいの」<br />
「感想を聞きたくてね」<br />
「まぁ、凄いんじゃない？」<br />
<br />
《リヴ》は鋭い目でこちらを見た<br />
何かを見透かそうとしている<br />
そんな目だ<br />
<br />
「直感を聞きたいんだ」<br />
「そうね」<br />
<br />
私は記事をテーブルに置いて、《リヴ》から目をそらした<br />
植物園はいつものように緑と赤と黄色、少しの紫で彩られている<br />
<br />
「作為的なものを感じる」<br />
「ほう！」<br />
<br />
《リヴ》に視線を戻す。まるで子供のように輝いた眼<br />
<br />
「作られている。この戦闘は。いや、八百長というわけでもなく」<br />
「分かる、分かるよ」<br />
<br />
《リヴ》は十分だとばかりに立ち上がり、森の奥へと歩いていく<br />
私は疑問を投げかけずにはいられない<br />
<br />
「教えてくれ、この戦闘は一体何なんだ？」<br />
<br />
《リヴ》が立ち止まる。振り返りもせず<br />
<br />
「あえて言うなら」<br />
<br />
森の空を見上げる《リヴ》<br />
<br />
「作られたのは、戦闘だけじゃない」<br />
<br />
「いや、あまり言うべきではない。嘘がバレてしまうからね」<br />
<br />
「でも、嘘をつくのに疲れてきたのかもしれない」<br />
<br />
「僕は《キィル》とは違う。こんな、嘘で固めた世界に&hellip;&hellip;」<br />
<br />
「なんの価値も見出していないからね」<br />
<br />
まるで独り言のようにつぶやく《リヴ》<br />
私は目を凝らした。彼の周囲が、ぱちぱちとひび割れていく<br />
彼の向こう側に、何かが覗いた気がした<br />
<br />
何かが&hellip;&hellip;<br />
<br />
「そう、作られたのは、《世界》だ」<br />
<br />
何かが弾ける音がした<br />
気づけば、去っていく《リヴ》の後姿はだいぶ小さくなっていた<br />
先ほどまでの独り言は何だったのか<br />
何かの幻覚だろうか<br />
<br />
しかし、記憶にこびりつくのは、亀裂の向こうに覗いた世界――<br />
<br />
植物園の全てが枯れ果て、錆で汚れ朽ちた船内が<br />
<br />
一瞬、見えた気がしたのだ<br />
<br />
<br />
&gt;&gt;next chapter3『潜入』]]> 
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    <author>
            <name>霧のひと</name>
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    <published>2020-01-22T19:36:51+09:00</published> 
    <updated>2020-01-22T19:36:51+09:00</updated> 
    <category term="グレムリンズギフト" label="グレムリンズギフト" />
    <title>グレムリンズギフトⅠ chapter2『グレムリン』 sectionB</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[&hellip;&hellip;<br />
<br />
<br />
私は暇さえあれば、前線の情報をしらみつぶしに読み漁っていた<br />
グレムリンは無敵の兵器であったが、<br />
世界の脅威たる未識別機動体はそれを凌駕する異常だった<br />
<br />
信じがたいことに、グレムリンと互角の戦力なのだ<br />
グレムリンと1対1で戦ってようやくいい勝負になる<br />
もはや、グレムリンなくしては対処できないほどだ<br />
<br />
現在、グレムリンは広く普及している<br />
それでなんとか、世界の均衡を維持できている<br />
<br />
テイマーズケイジ直属グレムリン<br />
三大勢力直下のグレムリン<br />
企業抱えのグレムリン<br />
そして、自由傭兵のグレムリン<br />
<br />
そのすべてが未識別機動隊との戦いに繰り出されている<br />
戦いは膠着状態のままじりじりと消耗を続けている<br />
<br />
報告書に踊るテイマーズケイジの悲鳴<br />
三大勢力の恨み言<br />
企業の言い訳<br />
そして、自由傭兵たちの死<br />
<br />
私は読むことに疲れ、顔を上げた<br />
植物園の緑が私を出迎えてくれた<br />
<br />
私は暇になれば、いつもここにきている<br />
そして「読書」をして、日が暮れたら帰る<br />
たまに出撃しては、未識別機動隊を一掃する<br />
<br />
この奇妙な生活にも慣れてきたのかもしれない<br />
<br />
「むっ」<br />
<br />
近くで鸚鵡が飛び立ち、風が巻き起こり、書類が風に舞う<br />
<br />
「おや」<br />
<br />
書類を拾う手が止まった。気づかなかった記事<br />
<br />
「ヴルッフ&hellip;&hellip;グレムリン傭兵を大量雇用&hellip;&hellip;？」<br />
<br />
ヴルッフ。世界最大の資産家。グレイヴネットの支配者<br />
そして、それ以外のすべてが不明である<br />
<br />
ヴルッフは傭兵を大量に集めていた。ヴルッフの情報には奇妙な点が多かった<br />
資金供与、物資供与を拒否<br />
戦力の提供を主張<br />
しかし、私兵は動かさず、自由傭兵に固執<br />
しかも――<br />
<br />
「ダスト・グレムリン選抜試験の試験者リストを要求？」<br />
<br />
私は、背筋がぞくりと冷えるのを感じた<br />
底知れぬ「何か」が動いている<br />
それが、なにかは分からない<br />
<br />
いすれにせよ&hellip;&hellip;<br />
<br />
私の直感は、あらゆる状況において正しい、ということ、だ<br />
<br />
<br />
&gt;&gt;next sectionC]]> 
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            <name>霧のひと</name>
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