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霧の残像領域

長文を流したいけど皆さんのTLを汚したくないときに使う場所です

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霧のコラム「到達するハイドラ」
ハイドラの大きさはまちまちである。大きいものでは20メートルほどあるが、4メートルほどの大きさしかないものも存在する

パーツは注文してから全てオーダーメイドで作られる。まるでスーツを仕立てるように、機体に合った大きさのパーツが届く

職人がいるのだろうか、それとも全自動の機械が存在するのだろうか。マーケットの主は多くは語らない。ただ図面を受け取り、注文を受け付け、来週にはトラックに乗ってパーツが届く。その工程は謎に包まれていた

一人の少年がサンタを信じ、マーケットの主に手紙を出した。彼の描いたつたない大型ハイドラの絵。青年になった彼が忘れた夢の機体

「ライセンスを、僕に……?」

案内されてやってきたレンタル格納庫には、普通の、汎用ハイドラの機体が鎮座していた。そこでようやく青年は、サンタを思い出す

背後にゆっくりと開く格納庫の扉

「メリークリスマス」

トレーラーの荷台には、余りにも大きく、不格好で巨大なプラズマ砲が乗せられていた。トレーラーの運転手は煙草をふかしながらにやりと笑う

「注文通りだ。悪いな、注文は1件だけに限定されているんだ。ただ、他のパーツは……」

運転手が手渡したしわくちゃの手紙。それは、紛れもなく。

「他のパーツはこれから、お前が追いかけていけばいい」

彼のプラズマ砲は、どこまでも高く、到達する。子供の発想のままの性能が、確かに実現されていた

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