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霧の残像領域

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グレムリンズギフトⅠ chapter2『グレムリン』 sectionB
……


私は暇さえあれば、前線の情報をしらみつぶしに読み漁っていた
グレムリンは無敵の兵器であったが、
世界の脅威たる未識別機動体はそれを凌駕する異常だった

信じがたいことに、グレムリンと互角の戦力なのだ
グレムリンと1対1で戦ってようやくいい勝負になる
もはや、グレムリンなくしては対処できないほどだ

現在、グレムリンは広く普及している
それでなんとか、世界の均衡を維持できている

テイマーズケイジ直属グレムリン
三大勢力直下のグレムリン
企業抱えのグレムリン
そして、自由傭兵のグレムリン

そのすべてが未識別機動隊との戦いに繰り出されている
戦いは膠着状態のままじりじりと消耗を続けている

報告書に踊るテイマーズケイジの悲鳴
三大勢力の恨み言
企業の言い訳
そして、自由傭兵たちの死

私は読むことに疲れ、顔を上げた
植物園の緑が私を出迎えてくれた

私は暇になれば、いつもここにきている
そして「読書」をして、日が暮れたら帰る
たまに出撃しては、未識別機動隊を一掃する

この奇妙な生活にも慣れてきたのかもしれない

「むっ」

近くで鸚鵡が飛び立ち、風が巻き起こり、書類が風に舞う

「おや」

書類を拾う手が止まった。気づかなかった記事

「ヴルッフ……グレムリン傭兵を大量雇用……?」

ヴルッフ。世界最大の資産家。グレイヴネットの支配者
そして、それ以外のすべてが不明である

ヴルッフは傭兵を大量に集めていた。ヴルッフの情報には奇妙な点が多かった
資金供与、物資供与を拒否
戦力の提供を主張
しかし、私兵は動かさず、自由傭兵に固執
しかも――

「ダスト・グレムリン選抜試験の試験者リストを要求?」

私は、背筋がぞくりと冷えるのを感じた
底知れぬ「何か」が動いている
それが、なにかは分からない

いすれにせよ……

私の直感は、あらゆる状況において正しい、ということ、だ


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