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ヒルコは霊である

1000年前より続く降霊の儀
先代の巫女の身体が滅びるたび、新たな巫女が選ばれる
巫女の身体を依り代とし、新たなヒルコを襲名する

かつての覇権戦争
辺境自由同盟
デスケル重工
熾天使旅団
白兎生体化学
そしてヒルコ教団が新たな指導者の座をかけて争った戦争である

いまはその面影はない
ヒルコ教団もまた、抗争に敗れ、勢力を減退させていた
それでも教団は辺境に活路を見出し、進出し、そして生きながらえた

教義は極めて混沌としている
ただ、その中心には「永遠」がある
不老不死とは少しニュアンスが違う。ヒルコ教団によれば、不老不死は永遠ではない
生きることは変化の連続である。明日と明後日は全く別の自分である
それが無意味に続くことは、永遠不変とはかけ離れたものである

ヒルコは一瞬である。ヒルコは瞬く光である
一瞬ですべてを決し、永遠不変とする
生まれた瞬間に、彼の永遠が始まる

だから、辿り着けもしない永遠を無意味に過ごす必要はないのだ
なぜなら、永遠に到達した瞬間に、それまでの全てが決定し、彼は永遠不変となる
それは死であっても、打ち砕くことはできない悟りである

ヒルコは目覚めた。先代のヒルコは、抗争に敗れ、敗走のさなか、滅びた
いま、新しきヒルコが目を覚まし、歯を磨き、顔を洗った

彼女はヒルコを降ろしたときから永遠になった
変わらぬ毎日をいつものように過ごし、自堕落な毎日を過ごす。時には教団の仕事をする

時代は変わる。全てが滅びゆく。それでも、ヒルコは永遠を見つめている

テレビに映るのは、華やかなハイドラライダー
彼らのように生きる道もあっただろうか

それでも、ヒルコはヒルコの生き方しかできない

朝食を食べる。缶詰のおかずに、冷えて固くなった米。教団の経営はうまくいっていない。企業連盟のように生きれたら、それはそれで楽しいだろうか

シャワーを浴びて、髪をセットする。櫛で梳かした髪はすらりと素直に流れた
どうやら今日はいい日らしい

「ヒルコの生き方もたのしいぞ」

ふと、呟く。湿気を吸った畳にしみこんで消えた言葉

ヒルコは変わる必要がない

なぜなら、生まれた時からヒルコはヒルコで永遠であり、不変であり……それが最も良い生き方だからだ

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