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霧の残像領域

長文を流したいけど皆さんのTLを汚したくないときに使う場所です

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霧のコラム『機械の頭に映るもの』
ハイドラの首は、夢を見る首

操縦棺の発見によって残像領域の戦争は変わった。最大9個の火器をたった一人のライダーによって制御し、圧倒的火力によって敵を粉砕するハイドラは、瞬く間に戦場を席巻した

となれば、研究予算がハイドラに費やされるのは自然なことだった。まず最初に開発されたのは、頭だった。光学センサーを多数搭載し、全方位の映像を接続端子に通して操縦棺内部に伝える装置である。頭がなかったころは、ライダーが操縦棺から身を乗り出して外を見ていたという

今では光学センサーは各パーツユニットに分散され、頭がなくて外を見れないということはない。けれども頭の愛好家はいまでも頭を設置して外を見ている

頭があると人間のシルエットに似るので、愛着がわくという話だ

人間の頭には脳がある。けれども、ハイドラの頭には脳がない。夢は脳で見るのだから、ハイドラは夢を見ないはずである

あるライダーの証言によれば、ハイドラは夢を見るという。彼女はある夜、忘れ物を取りに格納庫へと向かった。真っ暗な格納庫に、一筋の光が漏れる。それは操縦棺内部から漏れた光だった。中に入ると、モニターが映像を映していたのだ!

子猫の戯れる映像を!

映像は一瞬で終わった。ハイドラが目を覚ましたのか、深い眠りに落ちたのか。そのライダーは、次の日猫のステッカーを作り、ハイドラの頭に張ってやった。すると、頭部カメラのワイパーが動いたのだ!

気のせいかもしれない。接触不良の見せた幻かもしれない。けれども、ここは残像領域。少し不思議なことが起こる場所

だから、ハイドラの首は、夢を見る首ということでいいのだ

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